免疫力を高めるということ

東京医科歯科大学の藤田紘一郎先生のお話はいつもとても興味をそそられます。 現代社会のガン、アレルギーは、どうやら西洋医学では治療してもあまり効果を得られないと言い切っています。 現代人の免疫力、自然治癒力が落ちてしまっているからです。

私たち歯科医もよく実感することです。虫歯が進行してしまって神経を取ったり、やむを得なく抜歯したりした後の結果がかんばしくなく、治りが遅いのです。 ここ何年か、少しずつですがその傾向が増えてきているように感じます。

「ガンもアトピーも自己免疫疾患も免疫です。また生きる力や心の病気も免疫が関係しています。」 「免疫を上げるにはどうしたらよいか。(中略)汚い生活をすればいいのです。」

藤田先生の話では、おなかのなかに回虫やサナダムシがいるとアレルギーを抑制し、花粉症になりません。 スギ花粉が体内に入っても、抗体を作るための情報を伝える鍵穴にサナダムシのフンなどがはまってじゃまするので抗体が作られないからだそうです。 実際に藤田先生がおなかのなかにサナダムシの「きよみちゃん」を飼って(?)いたことは有名です。

汚い川で遊んでいる東南アジアの子供たちや昔の日本の子供たちには今ほどアレルギーはありません。 自然の中でたくさんの細菌とバランスをとって生きていると自然治癒力は高まるので 今の日本の過度なキレイ社会がアレルギーやガンを増やしているといえそうです。

さすがに今の日本で誰もがおなかの中に回虫やサナダムシを飼うわけにはいきませんから、 自然治癒力を高めるにはどうしたらいいのでしょう。 それには腸内細菌を増やすことが大切です。 腸内細菌のエサとなる食物繊維をたくさんとることも必要です。 腸内細菌は病原菌を殺すだけでなく、幸せ物質のドーパミン・セレトニンを脳内に増やすことにもかかわっています。 セレトニンが不足すると「うつ」の原因となります 乳酸菌をとり、食物繊維をたくさんとっていれば免疫力がたかまり、ガンもアレルギーもなりにくいからだになり、「うつ」にもならないとしたらこんないいことはありません。

また、ストレスは免疫力を落とします。 現代社会では仕事などでストレスをためる場面はたくさんありますが、 なるべく楽しいことで大いに笑って発散し、 自然に親しんだり運動したり規則正しい生活をしてストレスを溜め込まないようにしたいですね。

歯科医のことをちょっと考えていただけますか

私のオフィスでは、歯周病、咬み合わせを考えた審美を十分考慮に入れて治療をします。
健康と美しさとは一体だと思うからです。
そのためには、気を使ってたっぷり時間をかけ、お互いに話し合いながら、時には最新の装置を使って精度を高めていきます。
通法どおりにやっていては完成度の高いものはなかなかできないからです。

一歩ずつ治療するファーストステップは歯周病の治療です。
成人(20才以上)のほとんどがかかっている病気です。
歯周病治療によって歯と骨の関係をしっかり作り上げておかないと健康美は得られないと考えています。
これを作り上げて歯周病の治療が完成すると、次のつめたりかぶせたりする、一番皆さんが気になる部分に一歩を踏み出します。
白くするセラミック、ジルコニア、イーマックスなど、ずいぶん審美に耐えうる材質が増え、皆さんの選択肢も増えました。

今は、この材質のみにこだわったディスカウントセールが流行しているようです。
歯にかぶせるものは材料だけで決めないでください。
いかにその人の口の中にマッチしたものを入れられるかどうかは、技工士さんの腕や歯科医のセンス、技術、咬み合わせ、審美へのこだわりなのです。
素材にのみこだわるのは健康美を求めているのではなく、見栄えだけです。
見栄えだけではいつかトラブルが起きます。
健康美を作るための基礎作りは簡単ではありません。
健康美は、もしかしたら一番手に入りにくいものかも。
お金では簡単に手に入るものではないのかもしれません。

ニッポンの企業力(健康には歯も重要)

「海外企業、特に米アップル社、マイクロソフト、GM、エクソンモービルなど、世界中の頭脳・ものづくりをインターネットや物流の主要路で結び、最適な経営のあり方を地球規模で追求するグローバル企業にとって、本国は一つの地域に過ぎない。」という文章を、日経新聞で読みました。 欧米人が日本で活躍しているスタイルを見るととても健康的です。 何で? 仕事に集中するためには、きっと自己管理は相当できていると私は見ています。アメリカでは喫煙者と太っている人は一流企業は雇わないと言われています。

これだけ健康を気にしているのに、口の中は別物のように考えている人の何と多いことでしょうか。 口の中だけ健康ということはないと思います。 からだは丈夫だけど噛むことだけはダメです、ということもありえません。 からだ全部がその人の健康度をあらわすと思っています。 何十年も歯科医をしているとますます確信をもっています。 日本人が国際化して外に目を向けられるためには、からだのベースがしっかり健康と自覚できないとそうはならないと思います。 歯が白くてキレイな人は世界中で好かれると思います。 もっともっと歯です! (口を閉じれば見えませんが、見えなくても歯の枠組みが健康をアピールします!)

ホームページリニューアルについて

私のオフィスの情報をお知らせするためのホームページを開設してから、もう10年ぐらいになります。 その間に日刊ゲンダイやWedge、週刊現代、アンアンなどいろいろな情報誌にも取り上げていただきました。 とてもいろいろな人からの電話、メールなどのご連絡もいただきました。 その後はどういう経過だったでしょうか。

あまりの情報過多に皆さんも何が何だかわからなくなってきていると思いますが、私のほうもとまどっています。 医療は基本的にはそんなに変わらないはずです。 でもマスコミは最新の治療やら最新のものを求めているようです。 人間の病気にはそんなに最新の病気はありません。 特に歯科は基本的なことをしっかりやればほとんど良くなっていくはずです。 しかし、メインテナンスを無視したら本当の成功はないのです。 ここを皆さんがもっとよく理解してくださればいいなと思います。 せっかく良いところまできたのにピタッと来なくなると、悲しいことこの上なしです。 私たちの治療を否定されてしまったのかとも思い、とても残念な思いがします。

もう一つの問題は、自己診断してしまうことです。 ネット上の情報で納得してしまうことです。 プロのアドバイス(直接の)は大事です。 万人向けの情報は正しいとは限らないのです。 人間の個性を知ることのできるものが言えることの方がより真実に近いでしょう。

ホームページのリニューアルは、今までとまた違った方法で表現してみました。 両方ともじっくり読んでみてください。 そして質問してください。 メールでもTELでも直接でもどうぞ!!

新ホームページ:http://kato-dental.biz/

旧ホームページ:http://www.dentkato.com/

全身をむしばむ歯周病は毎日のケアで防げます

歯周病の原因はプラーク=歯垢と言い切ってしまう大学教授がいます。残念ながら、プラークをいっぱい付けているのに歯周病になっていない人をいっぱい知っています。逆にプラークをつけていても歯周病にならないような口の中であれば良いのです。

残念ながら10代~60代まで、プラーク(歯垢)をつけてもムシ歯にならない人は見たことがありません!私が知っているのは70代、80代で歯がほとんど残っている人です。ということは、ほとんどの人は歯周病になる生活をしているということです。

プラーク(歯垢)は歯にくっつくとそのまわりの歯肉が炎症を起こします。よく言う、歯ブラシをすると出血するということです。歯肉の炎症ぐらいなら、自己努力で気づいたときからまじめに1本ずつみがけば健康を取りもどします。気にしない人が地獄の第一歩となります!

歯ぐきから歯槽骨という歯のまわりの骨や、歯の周りをハンモック状にくるんでいる歯根膜というところの炎症が始まると歯がグラグラ、物が咬みづらくなくことで気がつきます。でも悲しいかな、痛みを伴わないので気にしつつ放置していると、5年、10年後には咬めないぐらいグラグラになったり、自然に抜け落ちることもあります。

予防は?

ともかく歯医者さんで精密検査することがおすすめです。自己流では悪化をおさえることはできません!

世の中に、このようにみがきましたらなどと、うんちくはいっぱい情報として流れています。でも、どれひとつとして同じ口の中はありません。45度の角度をつけてハブラシを当てましょうなどと言われても、歯がデコボコしていたらもう当たってはいませんから。

私のおすすめは、口の中に食べ物が入ったらみがく!水以外のものがはいってもみがく!みがくなら口の中が見えるくらいの手鏡を目の前に持って一本ずつ確認しつつ。

これは本当に効きます。指導しなくても人の目を信用することです。本当に驚かされます。それぐらい人の気づきには繊細な力があります。

そこから道具を増やしていくのは歯科衛生士の仕事です。デンタルフロスや歯間ブラシ、毛束1ケのミニブラシは指導者がいないとしっかり当てることはできません。さっきも言ったように、自己流でうまくいったら歯医者はいりません!こんなふうになどと図入りの説明をするドクターがいたらそれだけで歯周病専門医を疑ってもいいかもしれません。歯周病の治療にはなっていません。

ともかく個人個人の口の中を歯医者さんがどういう状況かわかった上で一本の歯に道具を3つも4つも使う場合もあれば、1種類でもいい場合もあります。重症化した歯は自分では手に負えないので、自己のケアを徹底して、自分で不可能な所は歯科衛生士にやってもらう、もっと重症なものはドクターがケアを、3人4脚でどうにか現状を悪化しないようにできるはずです。誰かしら油断してサボったら、あとはご想像通りです。

消化管(口、食道、胃、小腸、大腸)は毎食後気にしようと思えば気にできるところです。生活習慣病の中でも自分で気にかけることができる一番トップのものです。不規則な生活で加工食品を多く取りストレスが多い人は、口も内臓も全身要注意です。サラリーマンの多い新橋はその現状がよく見えるところでもあります。