一般歯科とは
一般歯科とは、基本的には歯科診療全般を指す言葉です。歯科の診療科目は大きく分けて、一般歯科、矯正歯科、小児歯科、歯科口腔外科の4つに分類されますが、その中でも一般歯科は、主にむし歯の治療や歯周病の治療、欠けてしまった歯の治療(歯牙欠損部の補綴)や義歯(入れ歯の製作や修理)などを中心に行います。また、保険内診療で行われる一般的な治療全般を指して一般歯科と呼ぶこともあります。歯が痛い、歯茎が腫れた、詰め物が取れたなど、日常生活で生じるお口のトラブルの多くは、この一般歯科で対応することになります。
保険診療と自由診療の違い
歯科治療を受ける際、大きく分けて保険診療と自由診療の2つの選択肢があります。保険内診療は、国が定めたルールに基づいて行われる治療です。基本的に「今、とりあえず最低限度で咬める状態に回復させること」を目的としており、全国どこでも一定の費用で治療を受けられるというメリットがあります。
しかし、保険診療の範囲では使用できる材料や治療法に制限があり、咬むことの快適さや審美性、あるいは将来的なお口全体の健康状態までを十分に考慮した治療を行うのが難しい場合があります。
小さなむし歯の治療であれば保険診療でも十分に回復が見込めますが、大きく進行してしまったむし歯や、歯の根の治療(根管治療)のように再発のリスクが高い治療においては、より精度の高い材料や高度な技術を用いる自由診療(保険適用外)を選んだ方が、結果的にご自身の歯を長持ちさせることができる場合も少なくありません。治療を受ける際は、それぞれのメリットやデメリットについて歯科医師から丁寧な説明を受け、ご自身が納得した上で治療法を選択することが大切です。
どうしてむし歯になるのか?
そもそも、なぜむし歯はできてしまうのでしょうか。むし歯は、お口の中に住み着いている細菌(プラークに潜むミュータンス菌など)が歯を溶かすことで引き起こされます。このむし歯菌は、私たちが食事から摂取する砂糖をはじめとした糖分を大好物にしています。口の中に入ってきた糖分を細菌が食べて分解する際に「酸」を作り出します。この酸が、歯の表面にある硬いエナメル質からカルシウムなどの成分を溶け出させてしまうことで、むし歯が進行していくのです。
歯みがきの仕方には意外と人それぞれ癖があり、知らず知らずのうちにみがき残しが生じてしまうことがよくあります。また、甘いジュースを頻繁に飲んだり、間食の回数が多かったりすると、唾液の働きによって歯が修復される(再石灰化)時間が短くなってしまうため、むし歯のリスクが高まります。むし歯を防ぐためには、日々の正しい歯みがきはもちろんのこと、定期的に歯科医院を受診し、専用の器具を用いた歯石の除去や、正しいブラッシング指導を受けることが非常に重要です。
むし歯の進行段階とその治療法
むし歯は進行度合いによって、レベル1からレベル4までの段階に分けられます。
レベル1は、初期のむし歯です。歯の一番表層にあるエナメル質に小さな穴が開いた状態を指します。この段階では痛みを感じることはほとんどないため、自分では気づきにくいのが特徴です。しかし、れっきとしたむし歯であり、早めに治療を行えば痛みを感じることも少なく、費用や治療期間も最小限に抑えることができます。むし歯菌に侵された部分を少し削り、コンポジットレジンと呼ばれる白いプラスチックの材料を埋めることで、見た目もきれいに治すことが可能です。通常は1回の通院で治療が終了します。
レベル2は、象牙質に達したむし歯です。レベル1の状態で放置してしまうと、エナメル質の下にある象牙質という組織までむし歯が進行してしまいます。この段階になると、冷たいものや甘いものがしみるといった症状が出始めます。まだ比較的簡単な治療で済むことが多く、麻酔を使用すれば痛みを感じずに治療を終えることが可能です。
レベル3は、歯髄(神経)に達したむし歯です。むし歯が歯の神経まで到達しており、激しい痛みや強くしみる症状が現れます。この状態になると、むし歯に感染した神経を取り除く「根管治療」という大掛かりな処置が必要になります。治療には複数回の通院が必要となり、最終的には被せ物をするため、費用も期間も大幅にかかってしまいます。
レベル4は、神経が死んでしまった状態です。神経が機能しなくなるため強い痛みは引くことがありますが、歯の根の先に膿が溜まって顔が腫れたり、噛むと違和感があったりします。放置すると細菌が全身に悪影響を及ぼす可能性もあり、最悪の場合は歯を抜かなければならなくなります。放置期間が長ければ長いほど体への負担も大きくなるため、一刻も早い治療が求められます。
詰め物(インレー)と被せ物(クラウン)の種類
むし歯治療で歯を削った後には、詰め物や被せ物をして歯の機能を回復させます。これらには様々な種類があり、それぞれ特徴が異なります。
詰め物の場合、保険診療で用いられる「メタルインレー(銀歯)」は、ある程度の硬さはありますが、長年の使用で金属が溶け出して歯茎が黒ずんだり、金属アレルギーの原因になったりするリスクがあります。また、歯と金属の隙間から再びむし歯になる(二次むし歯)リスクが比較的高いという欠点があります。
一方、自由診療の材料である「ゴールドインレー」は、見た目は目立ちますが、徐々に口に馴染んでフィットしやすく、二次むし歯になりにくいという優れた特徴があります。また「セラミックインレー」や、プラスチックとセラミックを混ぜ合わせた「ハイブリッドインレー」は、天然の歯に近い白さと透明感を再現できるため審美性が高く、金属を使用しないためアレルギーの心配もありません。汚れも付着しにくいため、むし歯の再発リスクを抑えることができます。
被せ物についても同様に、保険の金属製のものの他に、内側が金属で外側がセラミックの「メタルボンドクラウン」や、機能性の高い「ゴールドクラウン」など、様々な種類が存在します。ご自身の希望に合わせて適したものを選ぶことが大切です。
早期発見・早期治療と術後のケアの大切さ
むし歯は、症状が進行すればするほど治療が複雑になり、通院回数も費用もかさんでいきます。また、削る量が多くなれば、それだけ歯の寿命を縮めることにもつながります。悪くなってから慌てて治療するのではなく、初期段階で発見して早めに処置をすることが、結果的に負担を減らすことになります。
そして、治療が終わった後も非常に大切です。せっかく治療をしてきれいな状態になっても、その後のケアがおろそかになってしまえば、再びむし歯を繰り返してしまう恐れがあります。再発を防止し、良好なお口の環境を維持し続けるためには、ご自宅での丁寧なセルフケアに加えて、定期的な歯科健診を受けることが推奨されます。プロによる検診とクリーニングを定期的に受けることで、一生涯にわたって健康なお口を守っていきましょう。