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デンタルインフォーメーション No.89 2002/3/29
国際医療新聞創刊号3月20日発行より抜粋要約
今日まで、歯科治療の基本は、細菌に汚染された口の中の虫歯を削るなどして除去し人工的なものをつめたり、歯周病の汚染を除組織が自然にされたりしてはいますが、その方法論が大きく変わることはありませんでした。
最近になり、からだに対する評価や分子生物学が進歩し、歯科部門にもかつてない変化がおきはじめています。
- ☆ バイオ・ソリュ−ション
- 生物学的な問題を生物学的な方法で解決しようという試みです。
たとえば、下の例のように虫歯治療もプラスチックや金属をつめなくても再生治療でまたもとどおりの白い歯に修復可能になります。
- ◆ 歯の培養
- 遺伝子DNAを応用して問題を解決する方法で、患者さん個人の遺伝子を治療に応用します。
患者さんの骨髄細胞を培養して歯を作る細胞に分化させます。すると、患者さん本人の体にあるものと同等の、歯と似た構造物が作られます。それを虫歯治療でつめると、自分の歯の細胞と融合して、もとどおりに白い自分の歯とまったく同じように使うことが可能になるでしょう。
- ◆ 遺伝子導入治療
- 遺伝子を組み込んだ様々なウイルスを治療を必要とする部位に注入することにより、その部分にタンパク質を生成するDNAを組み込んで治療に役立てる新たな方法です。
- 1、 骨の再生
- 骨誘導タンパク質遺伝子を組み込んだウイルスを、歯周病やけがなどで骨がなくなったところに入れることで骨ができてきます。
- 2、 痛みの抑制
- 痛み物質が神経に伝達しないような麻薬様の物質をつくり、慢性の痛みを抑えます。
- 3、 がんの治療
- がん細胞を殺す物質をつくらせる研究も進められています。がんを抑制する遺伝子を導入することで、がん細胞だけを殺すことが可能です。これによって、放射線療法や薬物療法の効果も高まります。
このような研究が進むことにより、今後遺伝子を応用した治療は歯科分野でも確実に進歩し、既存の治療を変えていくことでしょう。
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