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自然に治らないケガ=ムシ歯 |
デンタルインフォーメーションNo.105 2003/10/03
ヒトの体は皮膚と言う「上皮」でおおわれています。皮膚はケガで傷ができると、上皮が一部破壊されて内部の組織が露出して出血します。
歯はどうなのでしょうか。ムシ歯や治療で穴が開いた状態を想像してみましょう。「上皮」と「内部」との関係を考えてみます。
歯という形態を考えてみてください!歯ぐきから上に出て見えている部分はエナメル質という水晶ぐらいの硬さの組織でおおわれています。これは「上皮」ではなく「上皮」に近い細胞からてきています。そしてその下にある象牙質という組織は非常に軟らかい組織です。しかもその中には細い数ミクロンの太さのストロー状のくだが走っています。それがもっと深いところにある神経(歯髄)までつながっているのです。
もしムシ歯になったら象牙質という軟らかい組織が破壊されます。その中のストロー状のくだの中にある神経から出ている痛みを感じる細胞が、冷たいものやいろいろな刺激を感じ、神経までピピーッと伝わってしまいます。その痛みは・・・・想像しただけでもイヤですネ。
穴を開けたりすることは、外界(口の中)と内側(体の中)とがつながってしまうことです。歯の治療はその境目を修理して閉鎖することです。その時に使用するものが金属であったり白いプラスチックであるわけです。
口の中で大きな問題点が2つあります。一つは外側(口の中)の水分と内側(神経)の水分と、両方とも湿っていることです。もう一つは歯の穴は再生能力がないということです。そのために使う金属は封鎖製の良いGoldを使ったり、ぴったりさせるため接着性の強いセメントを使ったりしなければならないのです。たった一本の歯のムシ歯という穴で、からだに穴が開いたと思ってください。少し深刻に考えて大事にケアしましょう。そのためのお手伝いは私たち歯医者さんです。穴を開けないための努力は私たちとの二人三脚です!