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  歯周病の知識最前線

デンタルインフォーメーション No.109 2004/07/23

歯周病は骨が溶け出して歯がグラグラして最後には抜け落ちてしまうこわい病気です。
つい最近までは、あるきまった細菌が出す毒素によってあごの骨が溶けてしまうのが歯周病であると言われていました。
しかし、細菌が出す毒素が骨を溶かすのではなくて、細菌が出す毒素に対してその人の体が免疫反応として産生する「細胞間伝達物質」というものがあごの骨を溶かしていくということがわかってきました。

歯周病は日本人全体としても大問題なのですが、悪化させる原因として 
1.いくつかのきまった種類の細菌 
2.年、性別、遺伝 
3.悪化させる環境(タバコ、生活、ストレス、飲酒など)
があります。
特に3.のタバコに関して言えば、喫煙者の歯周病は吸わない人の5〜7倍多いのです。

歯周病の原因菌は歯肉から体の中の血管に入り込み、あちこちで疾病を引き起こします。
血管が動脈硬化でコレステロールなど沈着していたら大変です。
心臓、肝臓、腎臓、胃、腸などありとあらゆる所で病気が発生する可能性があります。
特に女性に対しては、骨を溶かす「プロスタグランディンE2」は、子宮を収縮させ出産を早める強い作用があります。
最近高齢出産(30代)が増えていますが、妊娠前にしっかり歯周病を治療しておかないと、出産の陣痛が早めに始まり、早産の危険性が増してしまいます。

最近、歯肉の健康にコエンザイムQ10が注目され、有効であることが言われています。
美容界で話題になっているようですが、アメリカではもう歯磨き剤が発売されています。
また、口の中をジスロマックという薬で除菌する方法も効果が出ているようです。
歯周病はだれでもなる病気です。
美容や健康に気を使っている方でしたら、骨が溶けるまで気がつかないことは恥ずかしいことです。
でも、自覚症状がない「無言の病気」とも言われているのです。
ここで自覚症状というのは、痛いとか腫れたとか病気として気づくことを言います。
歯周病として気づいたときには、抜歯か残すか五分五分で迷うことは多々あります。
私たち歯科医はその宣告に悩んでしまうこともあるのです。
皆さん、自分の体に対する感性を高めて、より仕事に余暇に美容にすべてにこだわりをもった自分になりましょう。
応援しますよ!

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