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日本人は頑張りすぎ・咬み過ぎ |
デンタルインフォーメーション No.108 2003/04/16
私たち歯科医は、かぶせもの、つめものをお口の中に入れるとき、咬み合わせを気にして「いかがですか?高いですか?気になりますか?」とお聞きします。
今までつめもの、かぶせものを初めて歯に入れたときにはこのようなことを言っていましたが、実際は日常的に歯と歯は咬んでいない時のほうが長いはずです。
日本人の食事時間のうち、咬むことをしている時間は10〜15分しかありません。
これ以外の時間は歯は咬み合わさっていないのです。たったそれだけの時間のための調整なのです!
むしろ、咬んでいないときを重要視して調整をしていったほうが良いということも考えられます。
つまり咬まないであごを動かしたりしたとき歯がちょっと触れる感じがいろいろなトラブルを起こしてしまうのです。
ちょっと面白い発想ですが、現代人は咬み過ぎによって歯が崩壊したり、歯の周りの骨が破壊されていきます。
つまり歯がなくなっていくということです。
そう言われると皆さんびっくりなさるかもしれません。
現代人は硬いものを咬むことが少なくなったのであごが発達しないとはよく言われていたことです。
硬いものを咬むことによって子供のあごの発達を促し、咬むことで脳の血流が増加するので痴呆になりにくいとも言われていました。
けれども、咬み過ぎというのは緊張している状態です。
緊張して歯の根元の血管が圧迫されたままだと、そこが貧血状態になってしまいます。
貧血状態になることによって歯の根元の組織が死んでしまうのです。
血のめぐりをよくするためには咬んですぐ離さなければなりません。
そのとき歯の根元の組織がポンプのような役割をして血液がいき渡るのです。
だから、本当は咬むのではなくあごを動かすことが大切です。
日本人は頑張りすぎなので、咬み過ぎをどうしたらやめることができるかが課題です。
緊張しているものをいかにリラックスさせるかが大切なのです。
咬むよりも重要なのは、普段からしゃべること、動かすこと、運動することです。
皆さんは頑張り過ぎていませんか?
緊張して歯を咬みしめていませんか?
もし咬み過ぎていることに気づいたら、今からでもリラックスを心がけて血流を良くしましょう。
そうしたらきっと頭の回転も速くなりますよ。