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  初期虫歯とスポーツ飲料

デンタルインフォーメーション No.114 2006/04/04

最近虫歯が減ってきていると感じていませんか?
実際、歯科医として治療をしていても実感しています。
しかし、その中身には質・量ともに特徴が出てきています。

昭和50年以降の歯科疾患実態調査では、6才、12才、20才までは確実に減少してきています。
でも、G7(主要7カ国)の12歳児を比較してみると、日本は決して先進国並みとは言えないのです。
その差は虫歯の「質」のようです。
初期虫歯が確実に増えているのです。

虫歯か健全歯かどうかの境界線は私たち歯科医でも難しい場合がありますが、白っぽく変色した白斑のある判断の難しい歯に対して、そのままにしないで「再石灰化療法」という処置があります。
より白く変色した歯が元の歯の透明感を取り戻して虫歯が消えていきます。
健康な歯を取り戻す上に、もっと歯が硬くなってくれるため虫歯にもなりにくくなります。

自分でこの白くなった初期の虫歯を発見できるでしょうか。
上唇と下唇をもちあげて、歯と歯ぐきの境目を乾燥させてよく見てみましょう。
歯ブラシをしても取れない白い点はもう初期の虫歯です。
このような初期の虫歯の治療方法は、
自分のケアとして、
1.日ごろから手鏡を見ながらの歯ブラシを習慣付ける。
2.フッ素が高濃度入った歯みがき剤、フッ素入りの洗口剤を1日1回以上行う。
歯医者さんでのプロフェッショナルケアとして、
  フッ素塗布、再石灰化促進剤塗布、クリーニング、メインテナンスをしっかり続けていく
ことが大切です。

この問題を引き起こした原因の一つにスポーツ飲料が上げられることをご存知でしょうか。
CMで流され多くの人が水分不足を補うつもりで気安く飲んでいますが、正しい飲み方を知っておくことが大事です。

スポーツ飲料は、運動後の脱水、ミネラル不足を補う目的で飲むものです。
健康人なら、汗をたくさんかいたときにコップ1杯のスポーツ飲料で十分ということです。
食事のときや、それ以外に高頻度(一日に1回以上)で飲んでいる人の50%近くは、大なり小なり、この白い斑点を発見する可能性がありますよ。
よーくチェックしてみてください。

スポーツ飲料はpH3.6から4.6の酸性で、しかも塩分も多く、成人病予備軍を作りかねません。
病人用の点滴と成分が近いので健康な人が大量に必要なものではありません。

小児科の先生のアドバイスとしての飲み方は

1.運動で汗をかいたらスポーツ飲料は薄めて飲み、運動が終わったら水にします。
2.ペットボトルは持ち歩かない。食事中もスポーツ飲料は飲まないこと。
3.のどが渇いたら水にしましょう。

この文章は、月刊誌『健』のための原稿から抜粋して編集したものです。

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