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口の中の状態に気づきましょう |
デンタルインフォーメーション No.119 2006/05/19
10代の歯周病が増加傾向になってきています。
10〜14才でも歯ぐきから出血したり、歯石が付着したりと検診で訴える人がすでに10〜20%もあります。
このままでは確実に、20歳過ぎたら歯肉から骨まで進行していく本格的な歯周病に移行していきます。
小学校の時には親の管理で歯医者さんに通院しますが、中学生ぐらいから通院時間を作るのが大変になり、メインテナンスや治療に通う人がかなりの割合で減ってしまいます。
しかし、虫歯の初期である白濁ができると、そのまま放置することで、穴があくまで1ヵ月もかかりません。
そしてもう一つ、おそるべき歯周病は骨を気づかないうちに溶かしていきます。
自分で気づいた年齢(20代後半から30代)では、もう失った骨は一生戻りません。
ただし、骨を戻したいと思ったら少しは可能性があります。
歯肉の下の骨の中へ人工骨を埋めたり自分の骨を移植したりと、ちょっとこわい手術ということをします。
でもそれでは、食事もままならない大変な日を何日か送る羽目になり、気分のいいものではありません。
虫歯や歯周病を防ぐためにも自分の口の中の状態に早めに気づくことが大切です。
中高生では親が生活環境の改善を手伝うことも大切です。
会話をするときの口臭や歯の色(虫歯やプラークなどで黄ばみや着色があること)に本人が気づきにくい場合があります。
その一つの強い見方に、口臭測定器があります。
簡単に、デジタル表示で、臭いがあるかないか1〜2分で測定できます。
口臭は他人が気楽に指摘できないので、測定する機会が常にあるとよいかと思います。
自分でも感じないのは困りますが、逆に自意識過剰になり、口臭があまりないのにもかかわらず、気になって思いつめて歯科を訪れる人がいます。
この時は、この口臭測定器で数値を示してあげます。
しっかり説明をしてあげると安心するようです。
ただし、口臭はだれでも必ず少しあるものということを忘れないでください。
それをひどくさせるのが手入れ不足や虫歯、歯周病などです。
治療しないで放置することで、いやなにおいが出てきます。
これも気づいたら、歯ブラシなどのケアで復活!
中年と若者では差がありますが、若者なら結果がでるのは早ければ数日中です。
舌の上の汚れをとるともっと効果的ですよ。
次に、顎関節症についての資料がいろいろ発表されています。
あごが痛い、音がする、開けづらいなどの症状が低年齢化している報告が増加しています。
中高生を対象とした調査では、高校生の26%の生徒があごの症状を訴えています。
この症状を自覚している人は自覚していない人より未処置虫歯があったり、片咬み、横向き寝、頬づえ、歯ギシリ、くいしばりなど悪習のあるものがはっきり目立っています。
いかにストレスや悩みごとが多いかと考えさせられます。
私たち歯科医は患者様の口の中にどのような問題があり、どう対処していいか、治療だけでなく、細やかなアドバイスを個々にしてあげられればよいかなと思っています。
この文章は、月刊誌『健』のための原稿から抜粋して編集したものです。