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「かむ」ことの重要性 |
デンタルインフォーメーション No.50 ’99/6/7
「かむ(咀嚼)について、歯科学・解剖学・生化学・栄養学・生命理工学・機械工学などの研究者たちが参加して1990年に「日本咀嚼学会」が誕生し、噛むことの重要性がやっと認識されました。
日本人の平均寿命は女性は80歳台、男性は70歳台ですが、歯の寿命はなん50歳台にとどまっています。かなり若いうちに歯を次々と失っていることがわかります。身体の寿命と咬む働きの寿命の間に大きなギャップが起きているのです。つまり、50歳を過ぎると咬む働きが急速に低下してきているのです。21世紀には4人に1人は老人になっていますが、その老人は咬む事に関してかなりのハンディキャップを負ってしまっていて老後の楽しみが奪われかねません。
また、食べ物が軟らかくなっているため、堅いものを噛めない子供や歯並びの悪い子供が増えてきているので、問題はますます大きくなってきています。
こんなことになってしまったのは、歯を単なる「噛む道具」と考えていて「感覚器官」であることを忘れてしまっているからでしょう。大きく広い目で「かむ」と言う機能を考え直してみるのもよい機会だとおもわれます。
「食べる」ことはとても楽しいものです。
「かむ」ということは単純に歯・顎・筋肉の働きだけで行われるものではありません。
見た目や、口の中が脳を刺激して、その刺激を受け取った脳が咬む運動を命令しているのです。
そして、顎の筋肉や舌を動かして食べ物をかみ砕き唾液と混ぜ合わせて飲み込んでいます。
これは神経・脳・筋肉・唾液腺・皮膚感覚器などがまとまって「咀嚼システム」という流れを作っているのです。
その証拠に、歯が抜けて物が噛みづらくなってくると、この脳からの「咀嚼システム」が壊れてきますので脳細胞も衰えてボケの原因にもなります。
「かむ」ときの回数・力の強さで「咀嚼システム」はどのように反応していくのでしょうか。
子供から大人・老人になったときにどのように変化していくかについてまだまだ研究されねばなりません。
でも、現在、「かむ」ことについて次のことはわかっています。
1、唾液の成分はガンを予防します。
2、歯を丈夫にします。
3、太ることを防止します。
4、頭部の血行がよくなるので頭が冴えます。
5、頭のマッサージになり抜け毛が防げます。
6、老化防止。
7、ボケ防止。
8.自律神経失調症も体調がよくなります。
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