医科・歯科 連携

先日の日経新聞(5月14日夕刊)に「厚労省、医科・歯科 連携促す」という記事が載っていました。
http://www.nikkei.com/article/DGXNASFS0103M_U3A510C1MM0000/

厚労省が病院での治療に歯科治療を組み合わせて、がんや糖尿病の治療効果を高めるため、連携の普及を促し、「連携」に取り組む自治体に助成制度を作り、今年度から全国十数か所でモデル事業を開始するそうです。

厚生労働省は、病院での通常治療に歯周病などの歯科治療を組み合わせてがんや糖尿病の治療効果を高める「医科歯科連携」の普及に乗り出す。連携に取り組む地方自治体向けの助成制度をつくり、今年度から全国十数カ所でモデル事業を開始。数年で約100カ所へ広げる。薬の使用量や入院日数を減らし、医療費の抑制につなげる。

近年、歯周病がそのほかの病気の進行にかかわることが知られるようになっている。歯周病菌から出た毒素が血管内に入り込み、糖尿病の悪化を招くとされる。がん手術後の合併症を引き起こす一因ともいわれる。対応策として、医科と歯科の連携の必要性が叫ばれるようになった。

具体的には糖尿病の患者やがん治療で入院する患者に対し、歯科医師が口内を診察して歯周病などを治療する。病院には歯科が設けられていない場合が多く、外部の診療所と組織的に連携して歯科医を招く。がん治療で連携の実績がある静岡県など一部の地域を除き、医科と歯科の連携は進んでこなかった。

厚労省は新たな制度で普及を後押しする。都道府県や政令市、東京23区を対象に医科歯科連携の取り組みを募り、選んだ自治体に運営経費を半額まで助成する。各自治体は医科や歯科の関係者からなる連携協議会をつくり、地元の歯科医師会などに業務を委託する。初年度に10~20カ所のモデルをつくり、その後の全国展開につなげる。

医科歯科連携は2012年度に策定された国の「がん対策推進基本計画」などに盛り込まれている。12年度の診療報酬改定では、がんなどの手術前後に歯科医が行う口内ケアが保険診療の対象に加わった。厚労省は助成制度をテコに実際の取り組みを加速させる。

歯周病は糖尿病や心臓病その他全身の病気を悪化させます。
また、手術の時に全身麻酔をするために気管内に管を通すとき、口腔内が不潔だと口腔内の細菌が気管内に入り込んでしまいます。 高齢者の場合は命取りになるかもしれません。 現場で消毒はしているはずですが、歯周病菌はそう簡単には減らないのです。 本当なら手術前から衛生指導して、口の中をきれいにしておきたいくらいです。

歯科の問題が医科の病気にかかわるということは、歯科ではずいぶん前から言われてきましたが、 医科との連携となると橋渡しをする人がいませんでした。 連携をしたいという歯科の声はなかなか医科には届かず、 医科から歯科へ連携したいという声はほとんど聞こえません。

こういう取り組みを厚生省が後押しして自治体が連携事業を進めていき、実際に連携が進むといいのですが。 特に医科の側からの積極的な働きかけがあればありがたいと思います。

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