歯ぎしりと「言葉のマウスピース」

昨日の日経新聞夕刊に「言葉のマウスピース」というエッセイがありました。

「言葉のマウスピース」って何だろう・・・と、タイトルにつられて読んでみると
歯ぎしり・食いしばりの話でした。

要約すると
昔兄が歯ぎしりしていたという筆者、自分にも歯ぎしりがあることに気付きます。
歯医者で精巧なマウスピースを作ってもらうと歯はこすれなくなり音もしなくなったが、
異物感があって眠れなくなってしまった。
そこで「空気のマウスピース」を試してみることにした。
寝る前に「歯を食いしばらない、歯を食いしばらない」と10回念じて寝ると
本当に歯ぎしりがとまった。
自分でもホントに効くのか?と半信半疑だったその暗示の威力に感服した、ということです。

その後の文の中で、こうありたいというイメージを思い描くと、
無意識のうちにそうありたい自分に近づくという
そのイメージの力を「言葉のマウスピース」と表現してしまう作家の感性はしゃれていて、
要約してしまうと元も子もないのですが、
ここは歯医者なので許してもらいましょう。

実際に咬み合わせの治療に当たっていると、そういうことが普通にあります。
リラックスするだけで治ってしまう歯の痛み、
あごや口の周りの筋肉の緊張をほぐしていくだけで治ってしまう顎の痛み・・・
歯そのももの治療はあんまりしていないのに、元気になって帰っていく患者さんはたくさんいます。
深く呼吸してリラックスすれば、緊張していた筋肉も緩み
骨格もバランスのいい位置に行こうとし、からだが本来の機能をとりもどしていくので、
それをお手伝いするのも咬み合わせ治療にとっては重要な要素なのです。

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